20年第1四半期:金ETFへの資金流入は継続見通し、保有量は過去最高更新へ

ワールド・ゴールド・カウンシルが4月30日に発表した20年Q1の金需要動向での金ETF(現物裏付け)への資金流入について。

<金ETF動向>

20年Q1での金ETFへの資金流入は、世界経済の不透明性と金融市場の急激な変動の中、298tと過去4年間での最高水準となり、Q1末時点でのETF金保有量は3185tと史上最高を記録した。こうした投資セグメントへの流入により米金価格は過去8年以来最高水準に押し上げられ、グローバルでの金需要は金額ベースで55億ドルと2013年Q2以来最高となった。

ETFに加えバー・コインも含めた投資セグメントへの資金流入は前年同期比80%増。バーとコインは6%減。投資セグメントでのインドの購入は17%減、中国本土は48%減。

・年初は、ブレグジットを見据えた英国上場ファンドに流入する動きがあったものの穏やかな動きだった。新型コロナへの懸念は2月から本格化し、すべての地域でETFへの資金流入が加速した。Q1においては欧州上場ファンドへの流入が最も多く、150.1t(8億USドル増)、北米は128.5t(7億USドル増)、新型コロナで閉鎖されたアジアでも増加した。

・3月には、リスク資産の追証ニーズのために米国債さえも売られる中、金の換金も進み、一時は7%売られた。金融緩和政策と財政支援によりこの落ち込みもカバーされた。

・米ドルの金価格は2011年のピークを下回っているが、金と連動する他の通貨は最高価格に達しており、Q1での欧州ファンドへの圧倒的な流入量をみてもわかる通り米国以外での近年のETF成長の継続を示している。4月初めの数週間でもETFの大きな流入が見られており、保有量はさらなる新記録を更新しようとしている。