中央銀行の金買い、ロシアの購入停止で減少見通し

金の国際調査機関ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が4月30日に発表した金需要トレンドによると、ETFの金買いは資金避難先として大幅に伸びているが、全需要に占める中銀の購入シェアはロシアの金購入停止により急速に減速する見通しだ。

 

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・20年Q1での中央銀行による総購入量は145tで、前年同期から8%減少。しかし過去5年の四半期平均である132.9tよりは9%多い。

 

・1t以上購入したのは6中央銀行で、前年同期の10銀行より減少した。トルコ中銀が最も大きな買い手となり、Q1でグローバル中銀の総購入量の約半分に当たる72.7トン増やし、保有額は485.2tとなった。

 

・ロシアが2005年から14年続いた金購入プログラムを4月から停止すると発表。金買い停止の正式な理由は発表していないが、原油価格の低下や新型コロナによるインパクトを受けてのこととみられる。Q1では28トン買い増し、総保有量は2299.2トンとなった。ロシアの買いが剥落することによる影響は大きく、このセクターでのグローバルで総購入量は急激に減少する見通し。

 

UAE(7t)、インド(6.8t)、カザフスタン(2.8t)、ウズベキスタン(2.2t)中銀はそれぞれ1t以上買い。

 

・売りも小規模だった。スリランカ中銀は最も大きな売り手となり、保有量を12.9tから6.7tに減らした。ドイツ(2.3t)、タジキスタン(2.1t)も売り。